何故、あなたは死にたい時に死なない?
人には、誰でも死にたいと思う時がある。根拠はないけど。
暮らしの中の幸せと悲しみは、平等じゃない時がほとんどで、笑ってる時間より悲しんでる時間の方が実は多いんだ。
コップに入る水は限りがある。無理矢理広げようとしても無駄なんだ。
長年水が滴ってる石はその部分がへこんだようになる。そんな風に、水はすべてを溶かす。
もし、コップが人の心だとして、入る水が悲しみや苦難だったら。僕のはどれくらい入って、どのくらいの大きさなんだろう。
ちっぽけすぎて、すぐにあふれてしまうのかな。だから、一生懸命少なくするんだろう。
でも、溶かされてしまう時がある。
ぽっかりと穴が開いて、だらだらと水が垂れて。
そんな時思いだすんだ、人の心は時の流れに変わってしまうものだけれど、必死に思いだすんだ。
いつしか見出したあの答えを。
なんで、僕の心はこんなに荒んでるんだろう。
なんで、こんなにちっぽけなんだろう。
なんで、こんなに我慢しなければならないんだろう。
自分がしてきた選択が、正解か不正解か分かったら。そんなに、幸せな事はないよね。
そんな事を考えてる時に思い出すんだ。いつしか見出したあの答えを。
死にたい時に、死ねたら。そんなに幸せな事はないよね。
思いだす。
なんで人は、死にたいと思った時に死なないんだろう。それは……。
それは、死ぬ以上の幸せを得たいから、死なないんだよ。
けれど、死んでしまう人もいる。死ぬ事以上に幸せな物を知る前に。
ぽっかりと穴が開いて、だらだらと水が垂れて。その水が涙に変わるんなら。それはきっと、一番幸せな事なんじゃないかな。
悲しみがあって、幸せがある。涙があって、笑顔がある。
そんな風に 「死」 があって、 「生きる」 がある。
分からない事だらけだけど、そう信じていたい。